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小説 お嬢様学園の真実

[コメント] 53

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すず猫 2017/01/17 13:49:50  削除依頼

よくある小説ですが(^^;)スクールカーストです。乱立すみません;;

いじめっ子cast

椿木伊 姫乃(つばきい ひめの)
典型的なお嬢様。世界をまたにかける椿木伊ホールディングスの次女。学級委員長。
誰もがうらやむ美貌と家柄と才能を持っている。
花楓の友人。美和・美南と幼馴染。
家の年収=17億

荒城 花楓(こうじょう かえで)
姫乃の友人。椿木伊ホールディングスにはかなわないが、高級ホテルグループ「STELLA」の一人娘。
姫乃と同じく美人だが、系統は美白ギャル系。
美和・美南と幼馴染。
年収=12億

宮渚 美和(みやなぎさ みわ)
姫乃・花楓に次ぐ、「宮渚銀行」の令嬢。
椿木伊ホールディングス・「STELLA」が取引先。姫乃・花楓・美南の幼馴染。
あまりいじめに賛同はしていないが、誘われたらやる。
年収=10億

天野 柊花(あまの しゅうか)
姫乃・花楓・美和についてまわっている。
父親はSTELLAの傘下のリゾートホテル「merci」社長。
年収=4億

いじめられっ子cast

夏井 さとみ(なつい さとみ)
主人公。
父親は小規模ながらも有名な夏井出版の社長。
そのため、英洋学園へ転入できた。
美人。正義感が強く賢い。
年収=5000万

雪旧 美南(ゆきふる みなみ)
椿木伊ホールディングスに対抗する雪旧財閥の令嬢。
心優しくおとなしい、秀才。
姫乃・花楓・美南との幼馴染。
年収=15億

その他cast

茅瀬 美早(かやせ みはや)
学級委員で生徒会長。頭がよくて運動神経抜群。
母親はパリコレモデル「茅瀬 モア」で、
美早もトップモデルとして活動している。
年収=6億

高坂 杏奈(こうさか あんな)
性格がきつい。
姫乃・花楓・美和のずば抜けた別格グループ、それに次ぐ美早・柊花などの、「超お金持ち」の面々には入れてもらえず、クラスのトップ系グループという立場に甘んじている。
「高坂食器」の次期当主。
年収=9000万

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No.31 すず猫 2017/03/26 12:38:17  削除依頼

寒さにぶるぶるとしながら、
美和さんのことを考えていた。

幼馴染のあの三人の間に友情がないなんて、考えなかった。
従うばかりで何もできない美和さんは、加害者でありながら被害者だった。
もちろん悪いことをした。美和さんは高坂杏奈たちと同じことをした。このクラスには、この学校には、本当の友情なんてないんだ。親のために作った友達、しかいないんだ__
あの二人と一緒にいなければ、
美和さんはいじめなんてしなかったのに…


水浸しの室内に湿ったカーペット。
高坂杏奈は暴言を吐いたけど美和さんには優しかった。いたわっているようだった。
本当はやりたくない、ということを知っていたのかな。
高坂杏奈も悪い子じゃないと思う。まあ、やってることは最低だけど。


「さとみん、
もうすぐ黒木さんが帰ってくるわ…」
「もしかして黒木さんにおつかいを頼んだのって、
黒木さんがいるとばれるから?」
「知られたくなかったの。
こんなことしておいて、それでも黒木さんには知られたくなかったの。だって…あの人は私の家族ですもの。
一年のほとんどが海外の親よりも、黒木さんのほうがよっぽど母のようだわ。

__私、いろいろと喋り過ぎたわ。
たぶん、私のやったことは明日になったら広まっていると思うわ。ねえ、私がさとみんに言ったこと、内緒にしてくれないかしら…
こんなこと言える立場じゃないけれど」
「まあ、いいよ。なんか、いろいろあるっぽいし。
で、シャワー、借りていいの?」

「あの…すごく申し訳ないんだけど、
うち、来客用のシャワールームがないのよ。
ゲストルームに備え付けのバスルームならあるわ」
「じゃあ、それで…
ゲストルームって…まさか、さっきの部屋の?」
「違うに決まってるじゃない。
ゲストルームはほかにもあるわ…案内するわね。お詫びも兼ねて、一番広い部屋、ご案内するわ」

そう言って、案内された。
さっきは部屋を開けた瞬間にバケツラッシュがあったけれど、
たぶんもうないだろう。

ただ、廊下に部屋がめちゃくちゃある。



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No.32 すず猫 2017/03/26 12:39:54  削除依頼

「いったい何部屋あるの…」
「60LDK。ちょっと狭いでしょ?」
「へっ!?」

ろ、60LDKってどんな家なのよ!
しかもこれで狭いって…

清潔感のある広々とした家は居心地はいいけど、
どこか寒くてさみしげだった。


「ここよ」

さっきのゲストルームとは比べ物にならない。
ただの扉じゃなくて暗証番号制だった。

「暗証番号、適当に決めて」
と言われたので自分の誕生日を入れる。

そして横開きらしいドアがウィーン、と開く。









「ここって、スイートルームなの?」



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No.33 すず猫 2017/03/26 12:59:52  削除依頼

「ただの部屋よ。
入って。ゲストルームといっても、うちって質素な部屋が多いから、ごめんなさい」
質素って・・・どこが質素ッ!?

「ベッドルームの扉の手前を
左に曲がったところがバスルームよ。
タオルもボディーソープもあるわ。

あら、着替えがないじゃない!」

当たり前でしょうが!と言いたくなるのをこらえる。
誰かさんがバケツラッシュをしたからッ!

「私のもので良ければ、お着換え、持ってくるわ。
お洋服で、新品のお取り寄せしたばかりのものがあるから、一式それを持ってくるわね。やっぱり全部、新しい方がいいでしょう?
あ、バスルーム、入っていていいわよ。」

そう促されて、迷いながらもバスルームに入る。


洗面台はピンクが掛かった大理石。
ハンドソープは言わずと知れた高級ブランドのもので、
ガラスの猫脚テーブルが置いてあり、こちらもまた最高級ブランドの白と薄黄色の大判バスタオルがたたまれていた。

持ち手がつやつやと輝いている、おそらくこれも新品であろう電動歯ブラシと、未開封の歯磨き粉(歯周病ケアからホワイトニングまでずらっとある)とこれまた未開封の高級感のあるガラス瓶に入ったデンタルリンス。

とにかくいろいろなものがそろっていた。


内扉を開けると、中も大理石のバスタブに大理石の床だった。
滑らないように用心しながら、
シャワーをひねる。いくら水圧を強めてもなぜか程よくマイルドな当たり具合で、痛くなかった。


「お嬢様のバスルームって、すごい…」

うちは出版社の家ではあるものの、
年収は運営の資金にもなるため、あんまりセレブってわけではない。ボディーソープなんか、ドラッグストアで安売りしているものだ。

そして美和さんがわかしておいてくれたのか、
湯舟にはミルク色のお湯がなみなみと沸かされていた。

せっかくだから入ってみると、
お湯はとろっとしていてすごく心地よかった。



「すごいバスルーム…」

やっぱりそうつぶやいた。



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No.34 すず猫 2017/03/26 13:24:09  削除依頼

十分ほどゆっくりつかって、
ああいい湯だったな、とやっとあがると、
いつ入ったのか美和さんが置いたらしい着替え一式が置かれていた。

すべて有名高級デパートの紙袋に入っていたので、本当に新品なのだろう。

シルクで出来た下着上下、
上品なパステルブルーのドレープ丈ワンピース、
ルームシューズに、という事なのか、
紺色の革製パンプス。

それぞれ、
派手という訳ではなかったが、
どれも上品で、最上質な品々だった。
着ることもためらわれるほどだったが裸で出ることなど論外なので着る。
素材がいいのか、作りがいいのか、
動きを邪魔せず、無駄のないデザインで動きやすかった。


そしてバスルームを出ると、美和さんが紅茶を入れていた。

「この部屋に長くいるつもりはなかったのだけど…」と言って、ロイヤルミルクティーとどういうセンスなのかきなこ棒を一本もらった。
白いバラを飾りながら美和さんが、
「ねえ、断ってくださっていいのだけど……
今夜、泊って行かない?」
「へ?」
「嫌だったらいいの。
でも、なんか、私ちょっと楽しくて…いつも、黒木さん以外だれもいないから。
なんか、私に怒鳴ってくれるような人初めてで、なんかうれしかったの」
「パパに聞いてみる。
それでokもらったら、いいよ。うちのパパ厳しいよ」

と言いながらもどこか自分も期待していた。
もしかしたら美和さんと友達になれるかもしれないって。

そして忘れかけていたことを思い出す。


「そういえばさ、
今、美南さんってどこにいるんだろう」
「ゆ、雪旧美南ちゃんのこと…?」



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No.35 すず猫 2017/03/27 12:29:47  削除依頼

「雪旧さんは__」

口ごもる美和さんを見て悲しくなった。
そして美南さんのことを忘れていた自分にも悲しくなった。

「早退したのかもしれないわ」
「へ?」
「よく早退する人だから。茶飯事よ。」
「本当にそうなの?」
「嘘、ついてないわ」
「ん。なら、信じる」
安堵した顔の美和さん。
それでもモヤモヤとはしていた。
バケツラッシュをした杏奈も花楓も反省なんかしてないと思った。
「あ、パパからメールだ」

着信音が鳴る。
スマホを起動すると、


userパパ
本文:今日は遅くなるのかー?


返信する。


userさとみ
本文:ねえ、友達んちに泊まってってもいい


するとすぐに電話が掛かってきた。

「ちょっとごめんね」
「待ってるわ」



『さとみか?
泊まってくだと?』
「そ。だめ?」
『なんて名前の子だ』
「宮渚美和さん。宮渚銀行の令嬢」
『は?嘘をつくんじゃない…』
「本当だよ。こういうお嬢様、ゴロゴロ転がってるよ」
『ほんとに宮渚銀行の令嬢なのか』
「ほんとだってば」
『絶対安全か?死なないか?』
「嘘ついたらハリセンボン飲みますってば」
『ふう…宮渚さんによろしく』

ぷつっと音がして、
少したってからOKをもらったことに気づいた。



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No.36 すず猫 2017/03/27 12:49:26  削除依頼

「以外とあっさりもらったよ」
「ほんと?嬉しいっ!」
心からうれしそうにする彼女を見て、私も思わず嬉しくなった。
「あら、黒木さん、もう帰ってるみたいよ。
伝えてくるわ。ここで待ってる?それとも来る?」
「あ、ついていこうかな」

エレベーターが部屋の中にあり、それを降りるとリビングルームにほど近かった。
少し歩くと、テーブルを拭く黒木さんの姿があった。


「黒木さん、さとみさんが今晩泊まられることになったの。
いいかしら」
「み、美和さまが…
もちろんいいですよ、腕をふるって夜ご飯作りますね!」
と頬にしわを作った。
いい人だな、そう思う。
美和さんが大きなソファに腰掛ける。

私もそこに座ると雑談が始まり、あっと言うまに夜ご飯だった。

「す、すごい」
テーブルの真ん中には小ぶりながらキレイな色のローストビーフ。
自家製らしい角食パンが一人一切れ、豆と野菜のミネストローネ、手羽先の洋風照り焼き…
デザートに、ということで小さなタルトが一人一切れあった。

「毎日こんななの?」
と言って、露骨すぎたと後悔する。
「いつもよりちょっと、豪華ね。
黒木さんが洋食を作るってことは気合入ってるわよ?」
といたずらっぽく言って、
美和さんが席に着く。
それに次いで私も席に着く。

「黒木さんは食べないんですか?」
「わたくしは家政婦ですから。皆様が食べ終わった後に頂きます」
「えっ、みんなで食べたほうがおいしいんじゃないですか?
ねっ、美和さん」
「えっと、そうかしら。いつもこうだし昔からこうなのだけど…でも黒木さんと食べるなんていうのも素敵だと思うわ。ねえ、黒木さん、お食べにならない?」
「でも…」
「遠慮しなくてよろしいわ。
私がミネストローネ、注いで(ついで)くるわ」
「み、美和さまが!?わ、わたくしがやりますって」
「いいのよ。
こういうのあこがれていたのよ。危ないと言われて一度も誰もやらせてくれなかったのよ」
罰が悪そうな顔の黒木さんをくすくすと笑ながら、
美和さんは慣れた手つきでミネストローネやタルトを準備し、すぐに持ってきた。

おどおどしていた黒木さんも食べているうちにすぐになじんだ。
何よりローストビーフはとてもおいしかった。



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No.37 すず猫 2017/03/27 13:12:19  削除依頼

黒木さんの人生山あり谷ありの話は面白く聞き入ってしまったし、逆に自分が話すと二人ともふんふんと耳を傾けてくれた。

タルトを食べ終え、おなかをさすっているとまた話に花が咲いた。
「私の親は今、アメリカ合衆国にいるのよ」
「アメリカにいるの?」
「ええ。海外支店を出すことになったから。
さらなる業務の拡大のためね。それにアメリカにも取引先の企業はあるのよ。取引先が後押ししてくれてるのも大きいわ」
「どんな人なの?」
「写真があるわ」
美和さんがどこかに写真を取りに行った。
すると洗い物をしていた黒木さんが口を開いた。

「とても親しくして下さっているんですね」
「まあ…って、実は今日、私、転入してきたんですけど」
「えっ!?」
「なんか、最低一週間はいるっぽいですけど、本日が初対面なんです」
「そ、そうなんですか…そんなにすぐ友達になれるんですね。
どこの方なんですか?」
「え?」
と言って、どこの令嬢なのか聞かれたことに気づく。

「出版社です。
夏井出版という」
「夏井出版ですか!有名な会社ですね。
どんな本を出しているんですか?」
「小さな出版社なんですけどね。有名な雑誌だと『週刊快鏡』とか『文芸快鏡』、週刊紙の『スカッシュN』とか。ビジネス系だと『ビジネスワールド』とか、娯楽雑誌だと『スカッシュノベル』『English comedian』とかかな」
「『文芸快鏡』や『English comedian』は奥様が読んでらっしゃいました」
「美和さんのお母さんが?通ですね。『文芸快鏡』と『English comedian』は特に面白い小説、乗ってますし」
「そうなんですか。『ビジネスワールド』はご主人様の愛読書でした。経済についても乗っていましたからね」
「よく知ってるんですね」
「この家には本がいっぱいあるんです。いや、あった、というのが正しいかも知れません」
「今はないんですか?」
「小説や漫画はありますが…
週刊紙などは、随分前に奥さまが処分しました」
「な、なんで…?」



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No.38 すず猫 2017/03/27 14:37:29  削除依頼

私だって出版社の娘。
本を処分するというのはちょっと不快だった。
「どうしてですか?」
そういうと、
黒木さんは聞こえないような仕草をした。
何か事情があるのだろうか。

「あった、これよ」
すると美和さんが戻ってきたので、
もう追及できなくなってしまった。

写真には、美和さんに似た大きい瞳とふんわりとしたロングヘアの女性と黒髪のがっしりとした英国人顔負けのハーフのようなハンサムな男性。
「このお二人が両親?」
「ええ。
宮渚洋夕(ようゆう)と宮渚薫子…旧姓は藤堂薫子という名前よ。」
「どっちも美男美女だね。美和さんがキレイなのは遺伝?」
「褒めないで。照れるわ。この写真は、私が妊娠中のときの写真よ」
「えっ、お母さんスリムなんだね。」
「ええ、病弱だったから。すぐ倒れたのよ」
「あ…ごめんなさい」
「いいえ。今はもう倒れないわ。」
なにか意味ありげな言い方だったが、
納得する。もう元気なんだ。

「私、もう自室に戻るから、さとみんもゲストルームに戻りましょう。
ゲストルームにパソコンやテレビや小説も数冊あるから、退屈しないはずよ。
では、おやすみなさい…


あら、そうだわ。
明日、朝起きたら私の部屋にいらして。じゃあ、おやすみなさいませ」



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No.40 すず猫 2017/03/30 14:24:42  削除依頼

翌日、
四月3日。
英洋学院大学付属高等学校は四月二日から新年度であった。

「お、おはようございます」
美和さんの部屋を訪ねる。

ドアがふいに開く。


……は?
てっきり、めっちゃ豪華な部屋かと思っていたが、以外とシンプルだった。薄青の、ウエディングドレスのような、もしくはそれ以上の、ふんわりと煌びやかなドレスがマネキンに飾られている。
その奥には、パステルブルーの革張りのソファや、映画館のスクリーンのように大きいテレビ、ガラス製の精巧な装飾の、うっすらと青味の掛かったソファテーブルがあった。
クイーンサイズの巨大な天蓋ベッドはダークオークで、シーツは上品なシルクブルーだった。どうやら薄い青色が好きらしい。

無表情の美和さんが奥から出てきた。
「OB親睦会は姫ちゃんの親のご要望なのよ。将来に役立つ人脈を作るための儀式。だから、ちゃんとしてほしいの。それを言いたかったの」

「お、OB親睦会ってなんですか?」
「えっ」

シルクの、優しい純白のブラウス、
濃いパステルブルーのタイトスカート、
薄桃色の、カシミアのロングカーデを羽織った美和さんは驚くほど上品に見えた。

「OB訪問会は年度すぐにあるって、知らなかったの?」
「OB訪問会ってなんですか?」
え、といった美和さん。

「ねえ、何も知らないの?ほんとに知らないの?とぼけているの?」
「いや、真面目なんだけど」
「OB訪問会を知らないって、榊原校長、まさか……
まあいいわ。教えてあげるわ」
榊原校長が何か?

「うちの学校、英洋学院大学付属高等学校や、英洋学院大学、英洋学院大学付属中等学校のOBはとても活躍している人がたくさんいるわ。
官僚、会社の社長、外交官__

そんな人たちと会うための機会が、高等部からは年度6回…学期ごとに2回ずつあるの。
中学、高校、大学のすべて、もしくはいずれかのOBが英洋大学の大ホールに来て、生徒とともに立食パーティをするの」
「ちょっと、ついていけない…
いつあるの、その親睦会とかって」
「さとみん、本当に知らないんだ…



…今日よ…」

「え・・・」



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No.41 すず猫 2017/03/30 14:43:14  削除依頼

「ま、まあ、普通にいけばいいんですよね、その英洋大学のホールに」
「だ、駄目よ!
ドレス、きていかないと」

じゃあ、まさか…

「この、ドレスって親睦会のために?」
「ええ。」
「ごめん、露骨すぎるんだけど…いくら?」
「30万ぐらいかしら。お安いほうよ、この規模のドレスなら。」
「さ、30万!?ドレスに!?」
「ええ。そうよ…って、もしかして親睦会を知らなかったってことはドレス…」
「ない・・・」
「わ、私のをお貸しするわ」


「どっちがよろしい?」
「え…これですか…」
美和さんが出してきたのは、
一部がシルクのフリルで飾られた、ふりふりの薄いクリーム色のマーメイドドレスと、桃色の、ふんわりとした、レースや花で飾られたドレス。
どっちもふんわりとした雰囲気で、美和さんには間違いなく似合いそう…と思った。

「じゃあ、ピンクのほうで」
桃色のほうが、美和さんのドレスやクリーム色のマーメイド・ドレスよりも少しシンプルな気がした。それでも派手で上質なのは触ってすぐわかったけれど。
「うん、さとみんに似合いそうね。
今日は、大学の門前で現地集合だから着替えていくの。だからドレス着て来て?」
「うん。なんか、いろいろごめんね。貸してもらってばっかりで。じゃ、着替える」





……似合わないと思う。
なんでこんなに背中出すの?ムダ毛剃ってないし!
上品過ぎてなんか、服に負けてる気がするけど気にしない。
まあ、気にしてんだけど。
ドレスを着て、更衣室(なぜ自分の部屋に更衣室!)から出る。

「あ、さとみん素敵!すごく可愛いしキレイだよ。
じゃあ、髪の毛セットしてメイクして。私も着替えるわ」
「あ、ありがとう」
メイク道具もセット道具もないんですけど。
そう思い、革のソファに座らせてもらう。
大きな窓があり、その手前にたくさんの写真が飾られていた。



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No.42 すず猫 2017/03/30 15:05:59  削除依頼

合唱コンクールの関東大会でピアノの伴奏をしている10歳ぐらいの時の写真。

姫乃と花楓と共に、誰かの結婚式に出席している中学生のときの写真。

ピアノのコンクールで入賞し、トロフィーを持って天野柊花と共に微笑んでいる写真。

どこかの別荘のようなところで、不格好なレッグウォーマーを編んでいる写真。

高校に入り、姫乃と花楓と共にケーキを食べている写真。

深紅のドレスを着て、ハンサムな大学生と踊っている、パーティの写真。


すべての写真から美和さんの煌びやかな世界が伝わってきた。

「どうかしら」

透き通る、軽い声が聞こえてきた。
振り向くと、薄青のレースが施された豪華絢爛なドレスに身を包む美和さんがいた。

「すごくキレイ!私の100倍もキレイです!って、当たり前か」
「ありがとう。さとみんもキレイだと思うわよ。
あら、お化粧してなかったの?」
「メイク道具も持ってきてないので。ほら、急に止まることになったから」
「私のせいね、ごめんなさい。
今、持ってくるわ」



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No.43 すず猫 2017/04/09 18:01:53  削除依頼

その後、美和さんにヘアメイクを整えてもらい、
リムジンで送ってもらうことになった。

「OBとの親睦会なんて、前の高校にはなかったよー」
「そうなの…」
「うん。なんか、何もかもびっくり!」
「ええ…」
「……どうかしたの?ずっと虚ろだよ」
「あの、さとみん。昨日のこと、本当に本当に、ごめんなさい。許されることじゃないけど」
「まあ、私も許してないし。
次、美和さんに裏切られたら二度と仲良くできないかも。たとえ、幼馴染絡みでもね」

びくっと美和さんはした。

「ほんとに、ごめんね。
……あと、とても申し訳なくて厚かましいってわかってるのだけど・・・」
「なに?」
「学校では、私に話しかけないで。私のためでもあるしあなたのためでもあるわ」
「美和さんのため、はわかるけど私?」
「私とさとみんが仲良くしているのを見られたらお互いに大変なことになるわ。さとみんに何かあったら…
だから学校では、あまりつるまないようにしましょう」

どこかひっかかる提案だったけど、私はうなずいた。



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No.44 すず猫 2017/05/17 17:35:45  削除依頼

「御足労感謝しますわ、お父上の代役で来てくださって。しかし、お父様とお会いしたいと言われましても私の一存では何とも……お父様の秘書の棚田という者に問い合わせてもらってよろしいかしら?」
姫乃が眉をひそめて、作り笑顔を張り付けて話している。
「あなたの父親のせいでうちのグループは大変なことになっているのよッ。
もし無理だと言うのなら、あの女の子を紹介してよ。誰だっけ、宮渚。宮渚銀行のお姫様!」
声を潜めながらも、青筋を浮かせて相手の若い女性は言っている。
「紹介出来ませんわ。それに私に責任はありませんもの。私を責められてもあなたを嫌うことしか出来ませんけれど、そうなったらあなたのお父上はもっとお困りになられるのではなくて?もともとはあなたのお父上の過失のはずでしょう。借金をお納めになれなかったのだから」
言葉に詰まる女性を見て理解する。ここはビジネスの場なのだ。
生徒の親に恨みがあるものが、あるいは取り入ろうとするものが集まる社交場。

花楓に目を移すと、なぜか男性と話していた。
「可愛いね、君。俺、こういう者」
名刺を男性は取り出す。
「吉田さん、て言うんですかぁ。吉田さんってなかなかイケメンですよぉ。彼女いないんですか?」
「じゃあ、花楓ちゃんが彼女になってよ」
「じゃあ、約束しよ。交際期間中、一時間のデートにつき、STELLAホテルの口座に一千万円振り込んでくれますかぁ?ふふ。無理でしょぉ?」
「……花楓ちゃん、若いのに貪欲になったらいけないよ……」
あら。と花楓が言う。
「私のお願いぜぇんぶかなえてくれたら、パパに会わせてあげてもいいよぉ?うふふ、時給一千万はもちろん、あたしの勉強部屋に新宿のタワーマンション一棟くれたら考えてあげる。考えてあげるだけねぇ」
恐ろしい。ぶりっ子だ。



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No.45 すず猫 2017/07/10 15:17:38  削除依頼

昨日行方不明だった美南も今日はいるらしい。ほっとしていると、あることに気づいた__宮渚美和が、いない。

すると、扉から、年配の男性とこそこそと会場に入ってきた。おじいちゃんとかだろうか。
「美和さん!どこ行ってたの」
話しかけると、美和さんは青ざめた。
「おや、美和ちゃんのご学友かね」
年配の男性が私に言う。私は頷きそうになるが、その前に美和さんが言った。
「いえ、違います。見たこともないですわ」
震えるような声だった。



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No.46 すず猫 2017/08/10 10:30:49  削除依頼

「え?み、美和さん?」

「わ、わたくし、この人は名前も知りません。まったくの無関係ですし、間違って迷い込んだのかも…!」

焦るように美和さんはまくしたてる。

「そうかね。結構美しい娘さんじゃないか。」

そう言って、その男性は私の顎を持ち上げた。

「ふむ。いい顔をしてる」

そう言って、彼は立ち去った。

「榊原さまッ!」

美和さんは、か細い声で叫んだ。
そしてへなへなと座り込んだ。

「ねえ、あの人は誰なの?親戚とか?」

美和さんは首をふった。

「さとみん、わたし__」
「探したわよ、美和」

鋭い声。

姫乃だった。

たった昨日の出来事。わたしを陥れようとした、張本人。

「なんでこの子と、つるんでるの、美和?随分と身分の違う人じゃないの」

いらっ。

「さとみんは…いい子だよ。」

美和さんはそう言って、立ち上がった。


すると



「……ッ!!」



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No.47 すず猫 2017/08/10 15:21:50  削除依頼

美和さんは背中をおさえた。
そして、低い声で呻いた。

「大丈夫!?」
「み、美和?どうしたの、美和っ!」

そして私がよくみると、ドレスから覗く、白い背中の肌が赤くはれていた。

「美和さん、これっていったい__」


しかし、そこで姫乃が口を開いた。

「夏井さん。あなた…もう帰って」

「で、でも!」

「あなたに美和の"身代わり"なんて出来ない!」

そう言って、姫乃は私を突き飛ばした。



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No.48 すず猫 2017/08/11 12:43:12  削除依頼

後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしようとすると、高坂杏奈とその取り巻きがいた。

「高坂杏奈…?」

杏奈は顔をゆがめて、俯いた。

よく見れば結構、美人だ。メイクで釣り目っぽくしているが、実際は真面目で綺麗な感じの顔をしている。すっぴんのほうが、かわいいんじゃないだろうか。

まあ、憎たらしいけど。

高坂杏奈は、姫乃・花楓と共謀して美和さんを手下にした人物の一人だろう。

「なんでここにいるの、夏井さん」

杏奈が呟いた。
夏井さん、なんて、やたら丁寧だ。

「美和さんに言われて。でも美和さ…」

「バカみたい。あんたみたいな穢れなき真面目ちゃんが来るなんて」

その声は、昨日とは全く違う低い声だった。

「何言ってるの?」

「美和さんにつきまとってるくせに」

つきまとってる…
その言葉がぐさりと刺さった。

「…ねえ、高坂杏奈。美和さんの背中が腫れてたの、知ってる?」

すると、彼女は眼を見開いた。
そして、またやられたんだ…とつぶやいた。

「知ってるんだ」

「…知らないよ」

「美和さんの腫れた背中、私見た。知っているんでしょ!」

「そーいうのが、ダメなんだよ、あんたって」

悲しげな声だった。

「そーいうこと言ってるから、あんたってダメ。あんたって正しいことしか言わない」

「正しいの何が悪いの」

「そういうところだよ。あんたって人に媚びない。正しいことを一人でやる。それがみんなの気に障るの。正直、なんで美和さんがあんたを好いてるのか分からない。」

息が詰まる。

「でも良いこと教えたげる。あたし、初等科からずっと英洋だけど、美和さんや姫乃さん、花楓さん、あと…雪旧美南…ほどのお金持ち、そうそういないよ。なのに…」

「あのー、何の話?」

「黙って聞いて」

はい。

「あのね…宮渚銀行は経営難なの」

「は?」

「宮渚銀行は経営難。お金持ちに、宮渚を贔屓してもらうためにはどうすればいいのかな」

そう言って、高坂杏奈は、お迎えのベンツに乗った。性格には、使用人がガードして乗せた。

「あんた、どうせ処女でしょう」

そう呟いて。



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No.49 すず猫 2017/08/11 13:08:23  削除依頼

処女で何が悪い!

そう思いながら、帰りは電車に乗る。今日は世間は休日なので学校は休みだ。

美和さん…大丈夫かな。
メールしておこう。

『何があったのか、分からないけど、力になれるなら連絡ください』

送信。

会場を出る前に制服に着替えたので足取りも軽い。白にネイビーのフリルやラインが入ったおしゃれな制服だ。さすが英洋、有名デザイナーデザインだ。
電車は、乗れないほどでもないが、結構混んでいる。

体をねじ込ませるようにして電車に乗る。入口近くにいた女性が、私が釣り革をつかむのを見て、こちらを見て嫌そうな顔をしたが気にしない。
電車が混んでいるのは入り口近くで、奥に行けば多少のスペースがあるのは経験から知っている。

英洋のお嬢様たちはきっと、知らないんだろうな。

電車の乗り方すら。いつもベンツやポルシェで送り迎えをしてもらっている子達。

でも私は知ってる。

電車の広告を読むのが暇つぶしなこと。
電車の中でイチャイチャしているカップルがいること。
電車で友達と喋ることがどんなに楽しいか。

そして、たまに痴漢に遭うこと……って、

それって今?

さっきから感じる、お尻への密着感。
電車は結構人が多いけど、まったく隙間がないわけじゃない。普通ならわざわざ人にくっつかないでいるだろう。

そしてその人は、私に腕をつけてきた。横目で見る。浅黒く手、脂ぎっている。

どうしよう…

たまに痴漢に遭う、と言っても、月に一回ほどだ。私には色気がないんだろう。そんなときは次の駅で一旦降りて(降りるふりをして)、違う車両に乗る。

でもこれは急行だ。まだ、降りられる駅は遠い。


足と腕を密着させる。これはささやかで、しかし不快なものだ。ほかの人が見れば、混んでいるからでしょ、と思われる。それに、「あれ、変じゃない」と誰かが思っても、やった人は「たまたまです」で済ませられる。被害者もこの程度なら、人に言いにくい。

しかし、私は硬い体温をさっきから感じていた。

意を決する。車内で告発しよう。

「この人、ちか…」

「こいつ痴漢です!」

誰かが叫んだ。見ると、さっきの女性だった。

「この人痴漢です」



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No.50 すず猫 2017/08/11 13:38:26  削除依頼

艶めく黒髪、白いレースのワンピース。まるでモデルのように、美しく儚い。
帽子を深くかぶっていて気づかなかったけど、抜群の容姿とスタイルだ。どこかで見覚えがある気がした。

「捕まえて」

「ウィ、マドモアゼル」

すると、彼女の隣に立っていた、白と黒のスーツ姿の外人ふたりが、私の後ろにいる男性を捕まえた。

「何だ、あの外国人」

それを見た人たちが口々に言う。

「あいつ強すぎ!」
「ねえいっくん♡ウィ、とか、マダモゼリーとか言ってたけど、どこの人?」
「フランス人だよ、るーちゃん♡」
「さすがいっくん♡」
「っていうか、あのべっぴんさん誰や?」
「知らんばい」
「さっき捕まえろって言ってたけど…」
「裏社会のオンナボスとか?」
「お金持ちっぽいね」
「あのおっさんかわいそ~。でも痴漢なんだもんね」
「さっきから痴漢やってたもんね。痴漢消えろ!」
「あの子のお尻触ってたよ。もしや人間のゴミじゃね?あははっ」


みんな、いろいろと勝手だ。

見て見ぬふりをしていたのに、途端に正義のヒーローを気取る。でも…私も同じなの?

すると、

「○○中央駅ー○○中央駅ー」

ぷしゅっと音が鳴って、ドアが開いた。
家に帰ろう。私はあわてて、降りる。

女性は、私を見つめていた。



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No.51 すず猫 2017/08/11 13:41:19  削除依頼

午後四時半。

駅の自動販売機でスポーツドリンクを買おうとしたら、肩をたたかれた。

「何ですか?」

振り向くと、さっきの女性がいた。

「あ…さ、さっきは、ありがとうございました」

「あなた、英洋の子よね。制服でわかるわ」

「へ?」

艶やかな声だった。
それにしても、どこかで見たような人だ…。

「私、英洋の卒業生なのよ。妹も英洋の生徒。あいつ、見てるだけで不快なことをしていたじゃない。気持ち悪かったでしょう。災難だったわね」

「英洋のOGなんだ…だから助けてくれたんですね。あの、私、夏井さとみって言います」

「さとみちゃんって呼んでいい?」

「あ、どうぞ」

といっても、さとみちゃん、と呼ぶ機会はもうないだろうけど…

「私はスミレ。この制服を見て、勝手に親近感を持っちゃって。ごめんね。目立っちゃったわよね」

「いえ。私、助かったし」

「ならよかったわ」

すると彼女は、スマホを取り出して電話に出た。

「電話、いい?」

「どうぞ」

スポーツドリンクを飲む。疲れた後のスポーツドリンクは、おいしかった。

「もしもし?…あ、懐かしい。今、屋敷にいるのね?…えっ?どういうこと?……うん、分かったわ。遠慮させないであげて。もうすぐ帰るから……電車ぐらい、いいじゃない、平気……あんたも社会経験積みなさいよ……あんたが心配することじゃないわよ……はいはい、そうね。じゃあね、姫乃」

…姫乃?

「あ、聞いてたの?私の妹、姫乃っていうの」



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No.52 すず猫 2017/08/11 14:00:21  削除依頼

「あのー、姫乃って、もしかして、椿木伊姫乃さんですか?」

すると、スミレさんはぱっと笑顔になった。

「もしかして、知り合いなのっ?」

「知り合いというか、なんというかー…同じクラスなんです」

「ほんと?うれしいわ。妹となかよくしてやって!」

「あ、はい…」

仲良く出来なそうです。すみません、スミレさん。
にしても、よく見ると本当に姫乃に似ている。だから「見たことある」と思ったんだ。


とある喫茶店に移動する。(スミレさんの驕り)

「姫乃…いや、姫乃さんにお姉さんがいたなんて知りませんでした」

「あの子、あんまり自分のこと、言わないから」

確かに、そうだ。

「でも、友達は多いみたいですよ」

友達になりたくない人も、ここにいますが。

「よかったわぁ。孤立してるんじゃないかって思ってたの!嫌われたりしてない?いじめられたりしてない?」

嫌われてます。いじめられてるんじゃなくて、いじめてます。

「嫌われてるって、そ、そうんなことないんじゃないかなあ~。いつも誰かと一緒にいますし~。いじめも、姫乃さんはやらないし~(自分じゃなくて取り巻きにやらせるから)」

私の棒読み回答に、スミレさんは嬉しそうにした。

「ほんとね?安心したわ!あの子、気難しいところやツンツンしてるところがあるの…」

あります、あります。

「そうですか~?私は分からないです~」

「もう安心しちゃう!ありがとう、さとみちゃん!」

「あ、はい」

というか、このコーヒー、うまっ!



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No.53 すず猫 2017/08/13 19:13:59  削除依頼

miyanagisa-miwa-side


回想



「あたし花楓っていうの。こっちは、姫乃」

そう笑ったのは、鮮やかなオレンジ色のイヤリングをした、こんがりと日焼けした女の子と、黒い瞳、黒い髪の毛、黒いアクセサリー。どこか寂しげな美しい少女がいた。


私立英洋大学付属初等科。

私と彼女たちは、ここで出会った。

中学からは、美白を気にし始めた花楓の知り合いだという天野柊花と、花楓が「セレブ気取りの上級庶民」と称した高坂杏奈が入学してきた。天野柊花は、花楓とよく一緒にいた。

高坂杏奈は、友人となった姫乃に付きまとっていた。


高校生。椿木伊ホールディングスは不景気ながらも成果を上げている数少ない優良企業となった。「STELLA」は、さすがに不景気の影響を受けていた。

それでも、今までは小規模だったインターネットの読み物サイトをうまく運営し、なんとか黒字を保った。

しかし宮渚銀行は違った。


明治時代、ある財閥の息子だった人間が、喪服店だが金貸しを始めていた宮渚家へ婿入りした。妻の宮渚トミの案から、金融業を独立させ、「宮渚金栄」という金貸し屋を始めた。

宮渚金栄は、中流階級から上流階級の人々から支持された。

しかし、ある日赤字に陥った。
原因は、有能な右手だったトミの死が原因だった。

ちょうど、世間も不景気で、貸した金を返さぬ人がとても多くなった。



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No.54 すず猫 2017/08/13 19:34:17  削除依頼

そして、妻を亡くした創業者は、経営のために何をしたか。

彼には、トミとの間に娘がいた。
サカエという、ほっそりとした、うりざね顔の美女だった。
十五だったサカエは、嫁入りもまだしていなかった。

そして彼はどうしたか。





彼は、娘を、売った。




嫁にほしがる男は山ほどいた。
それほど気立てがよい美人だった。

「この人の嫁に行くんだ」と言って、彼は成り金で好色として有名だった男と、サカエの一夜を共にさせた。男は翌朝うれしげに言った。

「餅のような肌だったよ」と。

もちろん、一応「使用人の娘」とうそをついて、厚化粧をさせ、サカエだとは分からないようにした。

トミと瓜二つの顔をしたサカエを娘だと感づいて、「宮渚の婿は娘を売った」と漏らされはしたくなかった。

彼は、トミ亡き後、あきんどの娘である若い女トキヨと再婚していた。さっさと娘を追い出したいというのが本音だった。

彼が望んでいたのは男の赤ん坊だった。しかし、トミは死んでしまった。トキヨとの間に、もう双子の男の赤ん坊が生まれていた。

しかし、嫁に出す前に、彼はサカエを利用しようとした。


六人の男と寝かせた。

「この方の嫁になれ」「やはりあの方はよくない」を繰り返して。





そして、私も、今はサカエと同じだ。



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